『7割は課長にさえなれません』
2012年 01月 22日『若者はなぜ三年で辞めるのか?』『三年で辞めた若者はどこへ行ったのか』に続く三部作の完結編。もっとも、著者は、最初は、三部作にする気はなかったようで、書いている間に時代がどんどん激変していく中で、書かざるを得なかったというか、自然とこういう流れになったというか。
で、このシリーズで著者がいう結論はつまり、
年功序列をなくせ
これにつきるのではないかと。
企業が新卒しかとらないのも、就職難なのも、中途採用ができないのも、そのために、ひたすら受験戦争が過熱する一方なのも、途中で人生を寄り道して、世界をまわったり、浪人したり、留年したり、できないのも、みんな結局、この年功序列のせい。
こわくておちおち、有給休暇もとれず、残業ばかりで、家に早くかえれないのも、みんなそのせい。
ただ、50代の夫をもつ身としては、年功序列のおかげで、なんとか仕事を続けられて、家族をやしなっていけるわけなので、その状況では、年功序列がなくなるのは、怖いです。いまでも、薄給なのに。
けれど、20代のこれから就職し、社会に出て働く世代の子供たちをもつ親 としては、子供たちがより自由に働いていける年功序列のなくなった社会は、望ましいかもしれない。
できれば、両方のスタイルを並行して実施してくれればいいんじゃないかと。
実際、年功序列では、それまで仕事をしていなくて、スキルも職能もないのに、年齢だけで人物を評価して、給与がきまるわけで。それはやっぱりおかしいだろうし、そのシステムのせいで、企業は中途採用をとりづらいし、そのせいで、人生の横道にそれてみたり、とおまわりしてみたり、できないわけで。
何年働いてきたか、どのくらいの能力があるかで、判定して、給与を決めるシステムは、やっぱりこれからは、必要なものかも。
というか、それが普通なんじゃないのかと。
ただ、日本人て、シビアに人の能力を評価できない。
年齢なら、ひとくくりにバシッて何も考えずに決められるけれど。
年功序列をやめて、職能給制にするとなると、よほど優秀な人事の人が会社に必要だろうと、思う。
この本に書かれているような、バラ色の年功序列廃止後の社会は、本当に実現するのか。
ただの著者の思い込みにすぎないのか。
どっちなのか、わからない。
本を丸のみはできないけれど、とりあえず、日本の社会がもう、年功序列だけでは、たちゆかなくなってるのかもとは、思う。
個人的には、ちゃんと有給がとれて、無茶に長時間の残業がなくて、もええるお給料だけで、無理なく家が買えて、無理な節約をしなくても、暮らせる。
これが普通のことだと思うけど、なぜかちっともそうならない。
ふつうの生活が、望み。
それだけなんだけどな。
子供たちがごくごく普通に就職できて、社会で働いて、結婚して、暮らしていけるそんな時代になりますように。
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新卒で就職した会社を2年もたたずに辞めた私です。
私は、やりたいことをしようと思った時に、会社という組織が私のやりかたに合わないと思いました。年功序列は、会社に入ってしまった人には何となく安心なシステムではあるのでしょうが、挑戦する心を亡くしてしまう原因でもあるように思います。安心さを求める人には、もともと挑戦していこうという気概が少ないのかもしれませんが。
確かにカヨさんみたいに、ばりばり前向きでパワーのある人には、日本型雇用は窮屈だろうなぁと、思います。
能力があって、若いうちからいろいろやりたい人たちには、若いうちは、上司のいうことをひたすら大人しく聞いて、もくもくとはたらけっという日本の会社は、つまらないでしょうね。今の日本は、本当は個性的でわくにはまらない人材がほしいのに、なぜかそういう人材がとれない窮屈なシステムの中で、おたがいにキュウキュウしてます。
でも、それほどの能力のない人間にはありがたいシステム。
どちらがわるいというより、両方を並行していけばいいんじゃないかと、思います。
気概のある人間ばかりじゃないし。
さて、これからどうなることやら。