映画の記事はネタバレつきです。あしからず。

by civaka

『雪之丞変化』時代劇

昨日のNHKBSプレミアムでやっていたので、見ました。
2008年の正月番組だったようです。
滝沢秀明くんが一人二役の主演。

このタイトル有名なので、知ってはいたのですが、見たことなくて、どんなお話なのかなと。

みていると、なんか親子関係が今とちがってすごく濃密だなと思いました。親のために自分の人生つぶして、敵打ち。親も親で自分の恨みを果たしてくれって死に際に子供に頼むし。うーん。いまだったら、親のために自分の人生つぶすなんて、やるかなぁ。なにしろ、子供育てても、はたして老後見てくれるのかどうかすら分からない時代。ですからね。親も子供に仇討なんて頼まないかも。
親は親、子供は子供っていう個人主義がもうかなり幅を利かしてるし。

こんなに親子関係の濃密だったのは、江戸時代なのか、この原作、シナリオのかかれた数十年前の時代だからなのか。原作は昭和10年。なるほど、この時代までなら、まだまだ封建社会の風潮も思想も残っていそう。

商人だった両親がだまされて殺された雪の丞。親のかつての罪業のために敵打ちされて騙されて最後は自害してしまう元長崎奉行・土部三斎の娘浪路。

敵役あくまで土部なに、ここまで相手の娘まで巻き込んでも仕方ないのではと、思うんだけど、そのくらい、この当時は、親と子は一緒なのかなと。

ここまで親子関係が濃密だからこそ、昔は、40才くらいで自分の財産と家督を子供に譲って隠居できたのかもしれないとも、思いました。
今じゃ、財産譲ったあと、子供がその財産をどうするかもわからないし、自分の老後をみてもらえる確証もないという時代になっちゃったので、高齢の親は、死ぬまで子供に財産譲ることは、しないですもんね。

もっとも、商人だった親を殺されたっていうことは、継ぐはずだった家と職をだめにされたっていうわけで、子供は家とその職を代々受け継いで子孫に伝えていくべきという価値観の時代なので、それをダメにされたっていうことも仇討の理由となってもいるのでしょうか。
結構な商家だったので、何事もなければ雪の丞は、普通に商家の旦那として裕福で満たされた一生をおくれたはずなので、そういう個人的な自分自身のための恨みもあるわけですよね。


それでも、仇討をはたしたあと雪の丞は、やらなきゃよかったと後悔するんですが。
そのあたりの心情が今一つわかりにくかった。演出不足なのか、演技力不足なのか。何に対して、後悔したのかがね。
自分の仇討のために周りを巻き込んで周りを不幸にしてしまったということでしょうか。
でも、実際に捕まった闇太郎は、もう一人の雪の丞という役割なので、捕まった自分を外側から見るような感じ。そのうえでそんな自分をみて後悔するというわけで。
原作者は、恨みを抱き続けることの無為を語ったのでしようか。



滝山くん。確かに美形なんだけど、それでも男顔なので、女形はなんかに合わないような。
この役を女優さんがやったらどうなるのかな。
いろんな俳優さんで何度も作られている作品。
解釈がいろいろできて、作るたびにおもしろいお話なんですね。


今作は、面白さは今一つでした。原作ならおもしろいのでしょうか。
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by civaka | 2012-03-24 10:03 | テレビ・ドラマ | Comments(0)