映画の記事はネタバレつきです。あしからず。

by civaka

『人間形成障害』 久徳重和著/農家の子育て、武家の子育て

もっと早くこの本を読んでいたら、
うちの息子をもっとまともに大人に育てられたかもしれないと、後悔している。

いつまでたっても幼さを持ち続けていることがずっと謎だったのだけれど、
この本を読んでやっとわかった。
ちゃんと息子を大人扱いしなさすぎた。
手をかけ過ぎた。
過保護すぎた。
暇にあかせて手をかけ過ぎてしまった。何でも私がやってしまっていた。
二人目になると親も飽きてきて、手を抜くせいか、
娘は結構しっかり育った。
なるほど、めんどくさくて、手を抜いて、結構いろんなことを本人にやらせていたせいなんだ。

で、今から、もう、大人になって、家をでて、自立している息子を
それにもかかわらず、いつまでも気持ちが大人になっていない息子をどうすればいいのか。
その辺りはやっぱりわからない。

というわけで、この本は、喘息治療と、引きこもりなどの治療をしている先生の書いた本。
どちらの病気も原因はおなじで、子育て環境が激変し、環境が子供を育ててくれなくなって、母親一人が子供を育てなくてはならなくなった現代のせい。
ということらしい。

本来子供は地域の力で育っていたはずのものなのに、現代地域に子育ての力はなくなり、そのせいで、子供たちはまともに育たなくなった。
本来子育ての方法を親に教えるなんて必要のないこと、だそうだ。

けれどわたしは、やっぱり、子供を二人育てていて、どう育てていいかわからなくて、途方に暮れていた。いろんな子育ての本も読んだし、いろんな講演会もききに行った。自分の親から受けた教育も参考にしつつ、なんとか育てたけれど、やっぱり、もっといろいろもっときっちり、子育ての方法論を、今の親たちには、教えるべきだと思う。

なぜかと言えば、時代が、社会の価値観が、社会の情勢がわずか数十年でこれほど変わった時代はないからだ。

私の父の家は、武家。母の実家は農家。
父は鋏の渡し方や、食事の席では、コップを順に手渡すことや、いろいろ細かくしつけて教えてくれた。けれど、母は、ただ、どなりつけるだけで、細やかなしつけや教育はしてくれなかった。

農家と言うのは、江戸時代以来とにかくお上に逆らわない。地域の村社会にひたすら従順に従う。自分の意見をもったり、自分で考えたりしてはいけない。農民の世界とはそういうものだ。
だから、親は子供に対しては、ただひたすら、どなりつけるか、ぶんなぐるか、たたくか。
自発性や、自分で考えるなんて人間に育ててはならない。

一方で、武家は、特に上の階級の家ほど、主君に意見したり、藩内の政治のためにいろいろと考えたりしていかなければならない。自分で考え工夫し、社会をよくするための努力をしなければならない。そのために、武家では、文字を教え、論語を読ませ、厳しくしつけ、藩内の人間関係や、家ごとの付き合いのために、マナーやルールも細かく教えなくてはならない。

まさに、今の時代には、すべての家庭がこの武家の子育てをしなくてはならない時代だ。
けれど、よほどの武家や、ある程度教養のある親の家でなければ、こんな子育ての方法論は伝承されていない。

時代の変化と言えば、明治維新も、戦後もあった。けれど、明治維新後も農民は農民のままだったし、そのあとは、農民が、工場員になっただけで、単純作業をただ黙々とやるだけ。時代は変わっても、状況はかわらない。

農家の家系の家では、怒鳴りつけて、親の言うことを従順に聞かせる子育てだけが継承されている。

けれど、これからは、すべて家庭で、武家の子育てが必要であるのだから、やはり、社会的に、公教育や、いろいろな講演や、テレビ番組や、あらゆる方法で、新しい時代の、自分で考え行動する大人な人間を育てる方法論を普及させていく必要があるのではないかと思う。

その上で、久徳先生にも、もっとがんばっていただきたいと、思うのであります。


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by civaka | 2015-04-06 08:43 | 読書ノート | Comments(0)