『インサイド・ジョブ/世界不況の知られざる真実』
2011年 10月 25日ずいぶん騒がれたアメリカのサブプライム事件。住宅ローンがどうのといわれても、やっぱりよくわからない。
というわけで、この映画はそのあたりを知るのにとてもわかりやすいです。
映画は、サブプライムの事件の一連の流れとそれにかかわった人たちへのインタビューがバシバシでてきて、すごいスピードでながれていきます。
日本語字幕で、人物名と、会話が同時にでてくるので、一緒に読むのが結構たいへん。気合をいれてみていないと、置いていかれてしまいます。
それでも、詳しく説明されている部分もあり、いままでわからなかったサブフライムとはなにか、なんだったのか、リーマンの倒産がどうしてだったのか、誰が悪かったのか。かなりよくわかりました。
まあ、この手の映画はどこまで真実なのかわからないという意見もあるんだけど、過去に騒がれた「ダイアナ妃の真実むもけっこう当たってたことを思うと、この映画の内容も大体の部分はほぼこんなものなのじゃないかと、思います。その先の細かいところ、本当の犯人は誰かとか、誰が悪かったのかとか、そのあたりは結局のところまた永遠にわからないし、結論は出ないかもしれない。
それにしても、驚いたのは、他人の不幸を、何の関係もない人間がお金もうけの種にするということだ。
住宅ローンの請求の権利を、いくつもあわせて、ひとつ債権として売る。その債権は回収できないかもしれないから、ダメな時のために保険をかける。
こんなこといったい誰が考え付いたのか。住宅ローンなんてそもそもすごく怖いものなのに。借りる方も貸す方も。
それがお手軽なお金儲けの道具になってしまうあたりすごい。
驚くのはさらに、その債権にローンにも債権にも関係のない第三者が保険をかけることができること。
さらにその債権になんの確証もないのに、AAAの評価をつけてあること。もう、AAAとかいわれても、信じません。はい。
ほとんど悪魔の所業としか思えない。わたしはこの映画をみながら、先日みた、『パラノーマル・アクティビティ』を思い出した。こんなことをするやつらなんか、悪魔に憑依された奥さんにぶんなぐられて殺されてしまえばいいのに。そして、こんなことをするやつの遺伝子なんか絶対残さない方がいいんだから、彼らの子供たちは、悪魔に地獄に連れて行ってもらった方がいい。悪魔と契約してお金もうけをした人間の呪いってこういうことだったのだと、つくづく思う。
アメリカには、ビッグアップルっていう、可能性の夢があるからね。
成功してお金持ちになること。
大豪邸に住むこと。
お金や資産をとにかくなるべくいっぱい持つこと。
こういうことがすごく彼らの頭の中にしっかりあって、すべてに最優先されるんだろうね。
でも、そろそろもう少しちがった価値観や、もっとまともな道徳観、道義心をアメリカは、学校教育で育てていくべきなのでは、と、そう思います。
日本の国民があれだけの災害にあっても、秩序正しく行動して、大きなパニックにならなかったのは、やっぱり、全国的に統一された学校教育によるものだと、思うからです。
いままでのアメリカの学校って、授業中足を組む、カ゜ムをたべる、服装がとっぴすぎる。
学校に銃をもちこむ。などなどもう何でもありすぎる。
そういうことが自由なアメリカとして、今までは、いい方にみていたけど、本当にそうなのか。
もっと、戒律や、ルールや、マナーを導入してもいいのでは。
基本はそういうところからはじめるべきなのでは。
そして、軍隊候補人員として、外国からの移民をうけいれすぎることで、社会の底辺の人間を救おうという感覚がアメリカの中にないこと。
社会の下層にいる人間たちからは、搾取してもかまわないという、そんな意識があるんじゃないのかなと、私には、そう思えるのですね。
もう、世界的な戦争も減ってきたし、アメリカは少し移民に対して、考え直すべきでは。
それからさらに、映画『エス』を思い出したのですが。
大学で、研究として、バイトの学生を囚人と監視にわけて、実際に刑務所の中のようにして過ごさせてみた結果、監視役の学生たちが、囚人たちをいたぶりはじめたという事件を映画化したもの。
人間はその立場によって、その立場にあった行動をとってしまうもの。
金融の上層部にいる人間たちは、自分たちの考え方ひとつで、金融界を好きなようにできる、あるいは、好きなようにしてかまわないと、思い込み始めてしまうのかもしれません。
お金にあかせて、政治にまで介入し、自分達のお金儲けのために法律まで変えてしまう彼ら。
結局誰も、罪をとわれないままに、事件は終わってしまった。みたい。
戦争ではもうお金儲けができなくなったからなのか。
アメリカの勢力を抑えていたソ連がなくなってしまったからなのか。
でも、最近は、中国の方に新しい勢力ができてきて、アメリカの方もあんまり勝手なことはできなくなってしまったとか。本当かどうかわかりませんが。
この映画、評価は人によっていろいろですが、私はおすすめしたい一作です。
とにかく勉強にはなります。できれば、2回くらいみると、よくわかると思います。
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