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旅行や、都内散歩、関東近辺の日帰り旅行、普段の生活や思ったことなど書いてます。

by civaka

『天国と地獄』

うちの息子がなぜか人間性を育てるためにせっせと映画をみるようになった。
で、まずはまったのが、オヅヤスジロウで、その次が、クロサワアキラ。
なぜか日本が世界に誇る名監督の作品を集中してみている。

でも、クロサワの映画って、音声がききづらい。
息子の観てる横で聞いてても、ちっともわからない。
まるで、英語みたいだ。

でもこの、『天国と地獄』は、タイトルがなぜかすごくきになって、まじめに見てみました。

当時としては、すごい作品だったらしい。ですね。

でも、私がみてて、ここって、ちょっと変じゃないのか、というシーンが結構ありましたが。

まず、医者のインターンがこの当時は、エリートじゃなかったんですね。
犯人の竹内は、自分を底辺にいる人間として、卑屈になって、主人公の権藤をうらやましいくやしいと、ねたんで憎んでるわけですね。

うーん。医者はいつから、エリートになったんだろう。
いまなら、医者のインターンっていったら、いいわねーお金持ちねーっと、羨望の的ですよ。
というかまあ、今の時代は、お金もちの子供じゃないと、医学部にいくのがそもそも無理ですが。

そして、もう、エリートではなくなりつつありますが。

医者がエリートだったのは、わずか数十年。ですか。

それからっと。
権藤が、特急列車の中から誘拐された子供を確かに本人かどうか、確認するシーンが、ありますが。
あれって、まず無理ではないかと。

わたしだったら、特急列車の中から、自分の子みても、絶対わが子なんて、確信もてませんね。
あのハイスピードで、しかも、あんなに遠くはなれてるのに、無理です。
わが子と似たような背格好の子供なんて、いくらでもいますもの。
しかも、この話の場合は、毎日一緒とはいえ、所詮他人の子。

あの状況で、権藤が絶対本人だと、確約してるのが、すごく不思議でした。
所詮は、映画。
やはり、いいストーリーとはいえ、ご都合主義で強引な部分もけっこうあります。

さらに、犯人を見つけるための手立てとなったのが、誘拐された子供進一のかく絵ですが、子供なんて、あんなに大人の思うとおりになんて、まず、かいてくれないですね。


それにしても、権藤と、竹内の人生を天国と地獄に分けたものはなんだったのか。

最初は権藤も有り金はたいてでも会社をのっとろうとしてましたから、地獄への道を向かっていた。ところがそこに誘拐事件が起きて、会社乗っ取りどころか、会社を追い出されてしまう。

それでも、使用人の息子のために私財をなげうち、いい製品をつくりたいという彼の信念だけは、最後まで貫き通した。何のために人は仕事をするのか。
そのラインだけは、はずさなかった。

一方、犯人の竹内は、医者でありながら、自分の憎しみ、憎悪、怒り、不満のために、人の命を犠牲にしてまで、身代金誘拐事件を起こします。

何のために、働くのか。
自分の仕事はなんなのか。

それにしても、竹内役の山崎努。若いです。
このころからすでに、演技うまかったんですね。

この当時の映画。すごい豪邸がでてくる。しかも、使用人がいる。奥さんが普段でも、着物を着ている。昔はよくあったけど、今じゃどれもありえない。
時代を感じます。うーん。

今みると、まあまあの映画。でした。
by civaka | 2012-01-31 22:17 | 映画 | Comments(0)