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旅行や、都内散歩、関東近辺の日帰り旅行、普段の生活や思ったことなど書いてます。

by civaka

『探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男』

もし、時間が戻せるのなら、世界中の人たちが一番望むものはなんだろう。

まず最初に登場する俳優さんがすごくイケメンで、ワオッかっこいーーーと思っていたら、さくっとまず殺されちゃって、あれれれっと、思っていたら、そのあとやっと登場するホン・ヨングン演じる探偵ヨンゴンは、コミカルでひょうきんそう。
えっ、こっちが主人公ですか。
仕事、できなさそう。

と、思ってみていたら、そんなことぜんぜんありませんでした。

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最初の仕事はまず、かぶとむし。
そんなの見つけられるわけないーーーーー。
と、思っていたら、ちゃんと見つけてきた。おおっ。

みていたら、この人なかなかどうして、強いじゃん。
顔とのギャップがどんどん広がっていきます。
いい意味で。

どう発見されたんだかぜんぜんわからないタイムマシーン。
そのタイムマシーンを手に入れようと暗躍する黒い集団。
黒い集団につけねらわれるヒロイン。

『探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男』_a0226627_11592371.jpg


そして、その集団の中で使われていたはずの男は、そのボスを殺し、次々とタイムマシーンにかかわる人たちを殺し、主人公ヨンゴンたちを追いかけ、殺人を犯してでも、執拗なまでにタイムマシーンを手に入れようとする。いったいこの執念は、なぜなのか。
彼は、なぜこうまでして、タイムマシーンをほしがるのだろう。
彼は、タイムマシーンでなにがしたいのだろう。
少なくとも彼が殺したあのボスは、お金儲けのために使おうとしたのだろうと、おもう。
でも、この男はそれとはちがうのでは。
そう思いながら、見ていた。
あまりにも次から次へと殺されているそのスプラッターぶりにちょっと辟易してきた頃、黒い集団のメンバーたちがヨンゴンを追いかける車の中で、話し始める。
「リーンマンショックがね」
「サブプライムだよね。」
「そうあれからだよね。世界が、あのあとどんどん不景気になっていってさ」

そうか。
あの殺人者は、タイムマシーンで世界をサブプライムショックの起きる前に、
いや正確には、アメリカがグラススチーガル法を解除してしまうその前に
時間をもどしたいのかもしれない。

あれだけの人を殺すほどの極悪人が、はたして、そんなことを考えるだろうか。
でも、あれだけの殺人を犯してでも、世界の時間を戻したいと思うほどの、現代社会でもっともひどい犯罪。
これだけの殺人など比較にならないほどの罪悪。
それがサブプライムローン事件

でも、これは私の考えにすぎないから、あの殺人者は、そんなことは考えていないかもしれない。
それはもう、本当に分からない。

でも、そのためにタイムマシーンを求めていたのだとしたら、その彼を殺してしまったヨンゴンは、正義の味方ではなくなってしまう。ヨンゴンと男の立場は逆転してしまう。男を抹殺したことはよかったのだろうか。

けれど、もう時間はたってしまっていて、本当には戻すことなんかできないし、戻したとしたら、別の何かが変わってしまう。

ヒロインソンヒョンは言う。

時間はもどせない。だから、起きたことは起きたことで、そのままそれを受け入れて私たちは生きていくしかない。

それでももし、時の流れをしっかり見ていて、きちんと時流を見極めることができたなら。
正しい判断をすることが出来たなら、サブプライムの事件は起きなかったかもしれない。

映画の中で殺される人たちの右目に時計があるのはなぜなのか。
いろいろとよくわからないシーンも多かったので、一回の観賞では、この作品を読み解くのはむずかしいです。できれば、もう一度みなおしたいところですが。

それでもやっぱり、できるのであれば。
サブプライムの起きる前に戻りたい。


タイトル通りのすごい探偵を予想したけれど、ヨンゴンの銃はいつも壊れていて、なかなか撃てない。
けれど、手に入れたばかりのタイムマシーンを、こんな微妙な機械を絶妙に操作して、時計の持ち主の男である殺人者を、タイムマシーンをほしがる殺人者を、この世から消してしまったヨンゴンのその手腕と結末には驚くばかりだった。

銃よりも、武器よりも、知性で解決したヨンゴンの真の姿に、だれも死ななかった結末に、ほっとした。

壊してといわれたタイムマシーン。でも、壊さないままヨンゴンはこのあと、あのタイムマシーンをどうするのだろう。

銃の義手の次に手に入れた不思議な道具。
事件のたびに不思議なものをてにいれて、いずれ不思議な七つ道具を持つ探偵の物語を監督は、シリーズとして、描き出してくれるのだうろか。

いずれ、ヨンゴンが義手を手に入れたエピソードもみたいと、思う。

スカパーで放送されるそうだけれど、これは映画なのだから、できれば、映画館で公開されてほしいと思う。


アメリカ映画に辟易して興味を失い始めた最近です。日本映画は、いつでも、そのほとんどがダサくばかり。そんな中で、おもしろいドラマを次々とみせてくれる韓国。映像芸術がドラマや映画として今、次々と意欲的に製作されている韓国。

今後、より素晴らしい作品が発表されていくことを心待ちにしています。

《ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2012》 @ぴあ映画生活




『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』

『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012』完成披露試写会にいってきました



by civaka | 2012-02-16 12:15 | 映画 | Comments(4)
Commented by Living dead at 2012-02-16 13:22 x
日本映画にも韓国に負けない位の良質な作品はたくさんありますよ。
決してレベルが韓国より下とは思いません。
ただ問題なのは本当に良い作品が脚光を浴びず、商業主義のクズ映画ばかり注目が集まるという点です。
韓国にも同様に傑作もあれば駄作もたくさんある。
韓国映画の場合、駄作はあまり日本に入ってきませんから。
観る側も良い作品を嗅ぎわける嗅覚が必要なのですよね。
Commented by civaka at 2012-02-17 16:05
Living deadさんへ
こんにちは。
こういう書き方をするとこういうコメントつくだろうなとは、おもってました。
外国のものは、入ってくる段階である程度セレクトされるので、それほどのダサくは、入ってきませんよね。確かに。
ただ、日本の作品も、探さないと、いい作品に出合えない。大手の映画会社のものは宣伝ばかりが大がりで目立つけど、つまらない。そういうところが、今の日本の問題なんじゃないかなと。
漫画だったら、大手の出版社の雑誌、普通の本屋さんで目につくものでも、いい作品に出会えるのに、映画は、そうじゃないですよね。
頑張って探さないと、ならない日本の映画ってやっぱり、どうにも行き詰ってますよね。
そういうことが問題だなあっと思います。
コメントありがとうございました。
Commented by chikat2183 at 2012-02-23 10:41
こんにちは

TB、コメントありがとうございました。
韓国映画、第1次韓流ブームのころ、日本に売りつけるためにたくさんの駄作が出ました。
人気者を出せばいい的な。
そして飽和状態と韓国側が高く売りつけるので日本で買い取れる数がぐーーんと減りました。
なので、質のいい作品が少し遅れて入ってくるようになりました。
買取数はものすごく減ってると思います。
でも、力はあります。
邦画はその隙を狙ってなかなかいい作品が多く出てきています。
若手の監督さんが力つけてきたと思いますよ。
私も初めは邦画敬遠してましたが、見たいものをみる主義に変えたので邦画もここ10年ぐらい見始めました。
なかなか力ありますよ。
ぜひぜひ嫌がらずに見てください。

civakaさんはどうやら年代も同じくらいで同じような趣向にあるようなのでお友達になってください。
Commented by civaka at 2012-02-23 21:05
chikat2183さん
こんにちはー。
そんな経緯があったんですね。
私は、ほんとに国内ですごく売れて話題になった作品を少しみているだけなので、面白いものしか知らないのが実情です。
韓国ファンというほどは、しらないのです。
だとすると今回みた映画はかなりいいものだったのかな。
最近たしかに邦画面白くなってきましたね。
できれば、一生忘れないくらいのすごい名作で出あいたいものです。
コメントありがとうございました。
こちらこそ、お付き合いよろしくおねがいします。