『キャリアこぎつねきんのまち6』
2012年 03月 01日前作の『キャリアこぎつねきんのもり』から通して全11巻。連続の連載でもなく、途中掲載誌の引っ越しもあり、長かったです。
十川さんとどうなるのか、ほんとはらはらしました。
石井先生の作品は、ほとんど読み切り作品が多くて、『びんばりハイスクール』以来の長編連載でした。
『ロッカーの花子さん』は、連載というより、読み切りのシリーズものっぽかったし。
しかも、一回『キャリアこぎつねきんのもり』が終わってて、十川さんとのことはどうなるんだーと、思ったままだったから。
実際、結婚して子供産んじゃうと、普通の主婦でも、子供優先になって、旦那のことは二の次とか、どうでもよくなりますからね。
それが、最初に先ず子供でその次に旦那となると、いらないかもって気持ちになるのも無理ないですね。
でも、早歩さんの、「家族のために自分を犠牲にしない、自分のやりたい事を最優先にして、決して妥協しない」という生き方は、すばらしいなと、思いました。
わらしちゃんのために好きかどうかわからない十川さんととりあえず結婚しちゃうという生き方は選ばなかったわけですからね。自分が納得しないと、譲らない。素晴らしい頑固ぶり、
なかなかこんな風に自分の意思を通して生きていくって、できないです。
なんとなーくその場の雰囲気とか、周りの意見や思惑に流されてしまったりするものですもの。
読んでいて、どうしてなかなか早歩さんが、十川さんを受け入れないのか、あんなに頑固にこだわるのか、不思議だったのです。しかも、十川さんが外国行っちゃったり、顧客サービス室がなくなったり。
顧客サービス室がメインの舞台の物語なのに、どうしてこんなさびしい展開になるんだろうと、思っていたんですけど。
読み終わってみて、なるほどなあっと、思いました。
早歩さんは、わらしちゃんのためでなく、自分自身が十川さんを必要としているということをきちんと自覚する必要があったんですね。だから、こんな展開にして、早歩さんを追いこむ必要があったんですねー。
人生は一人で生きていけると思い込んでいた、思いこもうとしていた早歩さんが、人生は一人ではさびしい、だから、家族が必要で、家族って大切なものなんだって、気づいていく、そういう物語でした。
ハッピーエンドで終わってよかった。
それにしても十川さん。忍耐づよすぎる。どうして、途中で挫折しなかったのか。それほどに早歩さんは、魅力的なんでしょうね。実際そう思うけど。それでもやっぱり凄いわ。
石井先生は独身なのに、既婚で、子育て中で、いい加減いい歳の私にも、すごくためになる参考になる、うならされる、教えられる部分のたくさんある物語でした。
やっぱり、漫画家さんはすごいです。
長い間楽しませていただきました。石井先生、ありがとうございました。
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