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by civaka

『自殺考察』松波慶次 著

グロイ話は苦手なので、読んでいてつらかったです。
最後に少しだけ救いがあったので助かりました。

3本の短編が入っている本ですが、
一作目の『六道巡りツアー』も、
二作目の『Ignorance is bliss』も、
どこかで読んだことのあるお話のようで、
掘り込みが足りないなぁと思いました。

ただ、三話目の『自殺考察』を読んでいると、一作目に出てくる、自殺した後どうなるかというエピソードが、
自殺を考えている主人公侑里に、重なる。
自殺の後に周りの人がどんな苦労をし、どんな嫌な思いをさせられ、どれほど悲しむか、この話では描かれないのだろうか。
また、二作目の生きたくても生きられなかった子供たちの話も、自殺を考える侑里と重なる。
命とは、なに?
という深い掘り込みはないんだけれど、
三作の構成が、三作目を掘り下げている。

百合の祖母が死んだ後に初めて、皮膚の再生手術のことが出てくるのだが、
そもそもその前に父親はなぜ、侑里に皮膚の再生手術があることを考えたり、
相談したり、しなかったのか。
それを知っていたら、たとえ父親がやってくれなイにしても、
侑里は将来働いてお金をためて肌を再生しようと考えたかもしれないのに。

侑里を預けっぱなしで仕事ばかりの父親、ほとんど口を利かない祖父など、
子育てに積極的でもなく、責任感も持たない男性は多い。

男性のフォローいかんで、母親の子育ての気持ちも変わる。

いつも夫にほっとかれていて、ストレスのたまる母親。
それが、子供むけられてしまう現実。

結局ひとの人生は母親次第であり、その背後には妻の子育てを支える父親があるわけで。

自殺というと、うつ病の治る途中に起こることと、以前本で読んだけれど、
やっぱり、それ以外の理由で起きる自殺もあるわけなんですね。

しかし、侑里の死にたい理由が自身のつらさではなく、
おばあさんに心配をかけたくないという理由だったのが驚きです。
そういう強さとやさしさがあれば、
生きていけるんじゃないかと思う。

人間の人生ってやっぱり、母親次第なのだろうか。
侑里の人生は母親の代わりに、祖母が支えてくれた。





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by civaka | 2018-12-05 10:00 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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